子供は敏感

それにまた、子供というものは、そういう点でおそろしく敏感なものです。子供自身、自分が「アンウォンテッド・チャイルド」であったことを、いつのまにか感づいてしまいます。どんなに母親がこのことを子供にかくそうとしたところで、子供は本能的に自分の不幸な立場を知っています。「お母さんは、ほんとうはわたしを生みたくはなかったのだ!」子供がある日、こう感じたとしたら、これほど子供にとって暗いことがありましょうか!「私の人生は第一歩からのろわれているのだ」、かりに子供心にもぼんやり、こう感じたとしたら、これほど彼にとってつらいことがあるでしょうか。子供は、自分がよその子供のように愛されていないことを知ってしまいます。そして、子供はこの世が自分を歓迎してはくれないことを感づいてしまいます。子供はヤヶになります。お母さんをにくみます。彼は世間をのろいます。lこういう子供が、将来暗い運命をたどるようになることは、当りまえではないでしょうか。子供にとって母親を愛しきれないことほどつらいことはないと思います。子供を愛しきれない母規よりも、この子供のほうがもっともっとつらいだろうと思います。私は先日ヨーロッ・〈の女性の歴史に関する小さな本を読みました。この女の歴史のなかで、いちばん大きく取り扱われているのは、「嬰児殺し」の問題でした。「嬰児殺し」はどの時代にもきびしく罰せられました。それにもかかわらず、この犯罪はなくなるどころか、ふえる一方でした。いちばん嬰児殺しの盛んだったのは中世時代といわれています。ところで、これらの嬰児殺しの犯人はほとんどいつも母親自身だったのです。「どうしてお前自身の生んだ子供を殺すなどという残酷なことをするのか?」こうある母親に男がきいたとき、その母親は言下に答えたそうです。「こういうことは男の口出しすることじゃない!」嬰児殺し、それは母親の手によって行われました。殺された嬰児は「望まれざりし子供」たちであったろうと思われます。「望まれざりし子供」を殺すことによって、中世以前、中世の母親たちはいくらかでも彼女自身も女の苦しみから解放しようとしたものと思われます。「望まれざりし子供」は生んではいけない。第一は、母親自身のために、第二は、その子供のために…………

出典:結婚相談所 徹底比較

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